以下は英検協会刊、英検タイムズ(平成11年2月号)に私のインタビュー記事が掲載された頁よりの引用です。

 

Series  英検の達人                      坂本富英さん

 <実力の進展がないと感じたら”ブレイク・スルー”となるような新しい勉強法を見つけるべき>

上級者になればなるほど実力の伸びは見えにくくなり、厚い壁を感じるようになるもの。
それを超えるには「ブレイク・スルーになるような新しい勉強法を試してみるべきだ」と坂本さんは言う。

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スキルアップの努力の過程で講師、翻訳、通訳へと仕事が拡大

----坂本さんはフリーの立場で講師、翻訳、通訳など、英語を使うほとんどの仕事をこなす。

「子供に英会話を教える仕事から始めたのですが、より多くのことに挑戦したいと手を広げているうちに
間口が広がって行きました。今教えているのは幼稚園からお年寄りまで幅広く、内容も日常会話、
受験英語、英検対策、ビジネス英会話など、ほぼ全てのジャンルにわたっています。
また、企業内の講座で教えたのがきっかけで、業務関連の翻訳を頼まれるようにもなりました。」

----もちろん、ここまで仕事の範囲が大きくなってきたのは、自分自身のスキルアップの努力があってこそでもある。
英語講師の仕事を始めてからも、自分のための勉強法として通訳の専門訓練を積み上げてきたのだ。

「最近は通訳の依頼も来るようになりました。まだなれない仕事なので非常に緊張しますが、
ひとつひとつ、仕事の範囲が広がっていくことは楽しく、やり甲斐も感じます。」

 

上級者のレベルアップにリ・プロダクションが効果的

----坂本さんはこうした仕事をしている人にはめずらしく、特別な語学留学をしていない。
国内で普通に生活しながら英語力を磨いてきたのだ。これは見方によって英語を教えようとする人、
あるいは語学の上級者を目指している人にとって大きな魅力といえるだろう。
日本で暮らしている普通の日本人が英語を極めるにはどうしたらいいか、自分自身の体験を
通して熟知しているのだから。

「英検1級は非常に高度な語彙力が要求されますが、その対策としてクイック・レスポンスという方法を
アドバイスします(下記参照)。
また、上級者が英語の総合的な力を伸ばすために、私は授業で”リ・プロダクション”という方法を行っています。」

----”リ・プロダクション”とは、1センテンスから数センテンス程度の英文を聴き取ってから即座に復唱する作業。
難しかったらシャドウイングの練習から始めるとよい。
シャドウイングは英語を聞くと同時に口まねし、自分の声を影のようにダブらせていく練習だ。

「シャドウイングはヒアリングの完成に効果的です。さらに”リ・プロダクション”では、文の意味を即座に的確に
つかまえる力が養われます。この練習では、一定の長さの英文を瞬間的に頭の中に蓄えなければならないので、
言葉の枝葉末節まで丸暗記していたのでは間に合いません。
その結果、瞬時に意味の骨子だけを飲み込んでいく力が身につくのです。
英検の準1級や1級の挑戦者はすでにレベルも高く、自分なりの勉強法を持っているはずです。
でも、それだけにかえって厚い壁を感じている人が少なくないと思います。その壁を乗り越えるには今までのやり方の
発想を転換し、ブレイク・スルーと いう方法を試してみる必要があると思います。
私の場合は、通訳の訓練で出会った”リ・プロダクション”という方法でした。
ですから、準1級を目標にしているクラスの授業で、私はニュースやダイアログのテープなどを使った”リ・プロダクション”の
練習を積極的に組み入れるようにしています。」

 

◎役に立った学習方法◎

☆語彙力の増強には次作テープでクイック・レスポンス

語彙の増強のために、私は英単語を聴いて瞬時に日本語訳に変換する”クイック・レスポンス”の練習をしました。
教材は単語をテープに自分で適当な間隔を空けて録音しておいたものを使います。
よく「英語を使うときは英語で考えろよ」と言いますが、日本人が第2の言語として英語を学ぶ場合、
すでに完成してしまっている日本語を積極的に活用した方が近道だと私は思います。
なお、単語はバラバラに羅列するのではなく、関連するもの同士をグループにして覚えるようにしたほうが効果的です。